会長あいさつ(ビアパーティ例会)
皆さま、こんばんは。
本日は、恒例のビアパーティ例会にようこそお集まりくださいました。
例会に先立ち、枝松祐子バナー補佐をお迎えして、第2回クラブ協議会を開催いたしました。私自身、頭が少々オーバーヒート気味でございますので、早く冷たい一杯で冷却したいところです。
さて、名古屋場所が始まり、高校野球も開幕しました。
この暑さのなか、全力を尽くす若者たちには本当に頭が下がります。どうか、体調を崩すことなく、最後まで力を出し切ってもらいたいものです。
そんな中、ある高校球児の選手宣誓が話題になっていました。こんな言葉です。
「選手の皆さんにお願いがあります。お互いのチームの好プレーに拍手や歓声を送り、讃え合うことにしませんか。お互いを認め合い、試合の後に『このチームと戦えてよかった』と思える、そんな最高の大会にしませんか。」
とても心に響くスピーチだと思いました。そして私は、これは単に選手個人の言葉ではなく、スポーツの精神のあり方を問い直すものだと感じました。
たとえばラグビーには「ノーサイド」という言葉があります。
これは、試合終了の瞬間に敵味方の区別を超え、互いに敬意をもって称え合う精神であり、その背景には英国の名門校で培われた教育や、中世の騎士道精神があります。
また、セルフジャッジで始まったテニスも、紳士と淑女の社交競技としてのルーツを持ち、現在もその誇り高い文化を受け継いでいます。観客の振る舞いにも節度があります。
一方、サッカーは上流階級から始まったものの、大衆化の過程で時に品位が損なわれる場面も見られ、野球もまた、労働者階級の娯楽から出発したためか、「勝てば官軍」的な精神が強まっていったのかもしれません。
しかし近年、その流れに一石を投じたのが「エンジョイ・ベースボール」を掲げて甲子園を制したこの高校でした。彼らが示したのは、勝つことの意味を問い直す姿勢であり、競技を通じて「人間としてどうあるべきか」を真摯に体現したものでした。
その姿勢には、私たちロータリーが掲げる理念──DEI(Diversity, Equity, Inclusion)、すなわち多様性・公平性・包摂性という考え方が深く息づいていると感じました。
この価値観は、ロータリーだけでなく、教育にも、社会にも、そしてスポーツにも通じる普遍的な理念です。
どうか皆さま、この考え方を心の片隅に留めていただけましたら幸いです。
今日は、多くの会員の皆さまにご出席いただき、心より御礼申し上げます。
今宵はビール片手に、和やかに、楽しいひとときをお過ごしください。