みなさん、ようこそお越しくださいました。
本日は、今年度3回目の例会となります。
各常任委員長から今年度の方針および計画を発表していただきます。
私たちのクラブの進むべき道を共有する、大切な機会になると思います。
さて、ロータリーには毎月「〇〇月間」という強化テーマが設けられています。
職業奉仕月間、国際奉仕月間、地域社会奉仕月間など、いずれもクラブの活動指針となるものですが――
実は、7月にはテーマがありません。
例会の準備をしながら「今月は何だったかな?」とページをめくって、ようやく気づいた次第です。
そこで今日は、改めてロータリーの基本である「奉仕」について、少し違った角度からお話ししてみたいと思います。
世の中には、奉仕を掲げる団体がいくつかありますが、そのスタイルには個性があります。
まずは、青年会議所(JC)。
こちらは、お金は集めて、汗は自分でかく。いわば「自助・共助・そして筋肉痛」の奉仕。とてもエネルギッシュです。
次に、ライオンズクラブ。
これは、自分のお金で、自分の手を動かすスタイル。
財布と腕っぷしの自己完結型。気風の良さと実行力が光ります。
そして我らがロータリークラブ。
こちらは、お金を納め、活動は専門性と継続性を重視して進めるスタイル。
「プロに任せる紳士の流儀」あるいは、「行動する知性」と申せましょうか。
もちろん、どのスタイルにもそれぞれの良さがあり、優劣をつけるものではありません。
いずれも、「奉仕」の心に基づいた尊い社会貢献です。
ロータリーの特徴は、知恵と資源を活かし、持続可能な形で社会課題に取り組むことにあります。
たまには、種まきをし、街頭清掃で汗もかきますが、基本は「長期的視点と継続性」を大切にする、大人の流儀といえるかもしれません。
さて、ここ2週間ほどの間にも、世の中ではさまざまな出来事がありました。
その中で、参院選挙の結果と、パレスチナ国家承認の話題が、ロータリーの理念と重なるように感じました。
ロータリーでは、政治・宗教の話題は避けるべきとされています。
けれど私は、ロータリアンとして社会に向き合う以上、沈黙が中立とは限らないと思っています。
今回の参院選では、ポピュリズム的な主張や極端な言説が、多くの支持を集めました。
こうした現象に対して、私たちは「四つのテスト」という倫理的な物差しを持っています。
「それは真実か?」「それはすべての関係者に公平か?」
その問いを社会全体に向けることが、ロータリアンの務めではないでしょうか。
また、フランスがパレスチナ国家を承認するという動きもありました。
これは単なる外交判断ではなく、平和と共存への意志表明だと感じています。
大反発する大物もいるようですが、ドイツ、英国にとってはいいきっかけができたように見えます。
日本も当たり前のことをしてもらいたいと思いますが、毅然とした判断ができる独立国家なのか、ちょっと心配です。
ロータリアンは、誰かの痛みに沈黙せず、どんな声にも耳を傾ける。
「理解から始まる平和」を信じて、歩み続ける人々でありたい。そう思います。
今の世の中には、混乱や分断、疑念があふれています。
けれども私たちには、「奉仕の理念」と「四つのテスト」があります。
それは、どんな出来事の中にも、「真実」「公正」「友情」「善意」が問われていることを教えてくれる羅針盤です。
本日も多くの会員にお集まりいただき、心から感謝申し上げます。
今年度のクラブ運営も、この理念を大切にしながら、できる範囲で、着実に、長く地域社会に貢献してまいります。
*7月のテーマは、「母子の健康月間」でした。不勉強を恥じるばかりです・・・