本日は、リモートによるゲスト卓話例会です。
なかなか山形までお越しいただくのが難しい方にも、リモートならご登場いただけるのではないか、その思いから、フォーブスジャパンの谷本有佳様さんにご講話をお願いしました。現場には、紹介いただいた大場友和米山委員長にしっかりとスタンバイして頂いています。
「編集」という仕事は、なかなか奥の深い世界です。しかし私にとっては、実はとても身近な仕事でもあります。
現在は作家として生計を立てている姉は、もともと雑誌編集者から書籍編集者を経て作家になりました。女手ひとつで二人の娘を育て上げ、しかも女医に育てたのですから、身内ながら頭が上がりません。
義兄も出版社を立ち上げ、それなりの規模に育てました。長男である甥は、今まさに不眠不休で編集の仕事に奔走しています。
本日ご登壇いただく谷本編集長については、私の古い友人から「キレッキレの方だよ」と聞いております。今日も素晴らしい例会となることでしょう。
さて、本日は 70周年の記念事業について、少しお話ししたいと思います。
これまで西クラブの周年事業では、銅像・石像などの記念品を作り、公共空間へ寄贈してきました。先人たちの深い思いがそこには込められていたことでしょう。
ただ、作ったものの、人知れずひっそりと佇んでいる記念品もあります。
「これらをより有効に活用できないか」——この難題を史料管理委員会にお願いしており、60周年までの検証結果は、年明けにご報告いただく予定です。大変なお願いを快く引き受けてくださった平田委員長、委員会メンバー各位に、心から感謝申し上げます。
さて、今後数年、我が西クラブの最大テーマは「樹氷の再生」です。
焦らず、しかし確かな歩みで、2100年までに何とかしたい。
その精神的支柱として、音楽を据えたいと考えました。
「組曲・蔵王の四季」のような作品です。
以前、例会でもお話ししましたが、西クラブの歌「蔵王を仰ぐ」は、山形フィル創設者の高坂知甫先輩が初代の常任指揮者で作曲家の服部良一先生に作曲を依頼し、作詞は私の父が務めました。
本音としては、「世界中から西クラブの文化を高めてくれるような作品を募集したかったのではないか」と私は感じています。
先人の思いを受け止めながら、70周年の記念事業部会の武田元裕部会長と打ち合わせを進め、山形交響楽団と相談し、世界から公募する方向で進めているところです。
フランス、とりわけパリの自国文化への愛と誇りは誰もが知るところです。
そのパリの中心、ルーブル美術館にガラスのピラミッドが建ったのは80年代末。私も完成後すぐに見に行きましたが、当時は大変な違和感がありました。
しかし30年以上経った今では、すっかりパリの風景に溶け込み、むしろ文化を高める象徴の一つになっています。
設計者はフランス人ではなく、アメリカ在住の中国系建築家 I.M.ペイ 氏でした。
同時期、パリ北部のラ・デファンスには、真っ黒な石造りの第二凱旋門が建ちました。これはデンマークの建築家の設計です。
排他的に見えるパリが、実は「自分たちの文化をより高めてくれる外からの才能」を積極的に受け入れてきた証左でもあります。
どのような作品が寄せられるか、楽しみでもあり、不安でもあります。
ただ、不思議なもので、コンクールの審査では一席(1位)は必ず全員一致となります。
ふさわしい作品がなければ、再募集すればよいのです。
まずは
弦楽四重奏で「冬」の小品(3〜4分)を募集します。
一席に選ばれた作曲者に、弦楽合奏による組曲の制作を依頼する予定です。
1年以内に、山形交響楽団がどこかしらの演奏会で、この弦楽合奏が演奏されることもお約束ですので、選曲を担当する山形交響楽団にも相当のプレッシャーがあると思います。しかし必ずや、この夢を形にできると確信しています。
多くの方がご存じのとおり、日本のクラシック界は世界的にも極めて評価が高く、主要オーケストラには必ず数名の日本人奏者がいます。
作曲家も実力者が数多く、発表の機会を求めています。
この曲を「西クラブだけの所有物」にするつもりはありません。
著作権(クレジット)は作曲者のものとし、山形市民に献呈する。
こうした開かれた形にすることで、近い将来、この精神的支柱となる組曲が世界中で演奏されることを願っています。
粛々と70周年の準備を進めつつ、皆さまと共に、西クラブの文化的価値を世界へと広げていきたいと思います。
今日の例会は、卓話者にリモートでお願いするという新しい試みですが、とても有意義な時間となることと思います。
改めまして、本日お越しの会員のみなさま、リモートで参加する会員のみなさまを歓迎申し上げ、会長挨拶といたします。ありがとうございます。