Club President's room

第3069回 例会ごあいさつ

皆さま、こんにちは。
本日は総会であり、100%出席例会です。12月は5回の月曜にすべて例会が入り、年越しそばを皆でいただいて、本年のスケジュールが閉じます。

総会は例年どおり短時間で終わりますので、時間が余ります。例会は13時25分までお預かりするため、時間調整はロータリー情報委員長にお願いしています。かつて私も、5分間・10分間の話を準備して臨んだことがあるのですが、当時の幹事・遠藤正明君が突然別の方を指名し、私は少し寂しい思いをしたものでした。今日はその反省(?)も込めて、少し長めのお話をいたします。
なお総会開始は13時05分とさせていただきます。

先日、妻の誕生日に素晴らしいお花が会長名、つまり私の名前で届きました。
皆さまからお花のお礼をいわれて気恥ずかしさがあったのですが、改めて会長を務めさせていただくありがたさをしみじみと感じました。

この場をお借りして、ご担当いただいている武田親睦家族委員長、お花提供のアライ花店の荒井委員長、日比谷花壇の堀野会員、そして“花屋の元締め、橋本委員長に、会員を代表して厚く御礼申し上げます。

最近、国のリーダーの発言をきっかけに観光地が静まり返るという出来事がありました。世間から大きな非難が起きない背景には、国民感情との一致があるのかもしれません。しかしながら、この妙な高揚感は、日中戦争期や太平洋戦争前夜を想起させ、胸のざわつきを覚えます。

一連の騒動を見ていると、揚げ足取りしかできない政党の哀しさと、独裁国家の傲慢さと意思決定のスピード感の怖さが同時に浮かび上がります。

それにしてもリーダーは誤解を生む言葉を口にしてはならない——これは私自身への戒めとしても受け止めました。

とはいえ、私たちの生活に直結している切実な問題は、むしろ熊のほうかもしれません。山形市の「クマダス」は最近落ち着きましたが、上山での吊るし柿荒らし、小国での頻繁な出没……今年まともに食べられなかった松茸への悔しさも募ります。

小国といえば熊、しかし小国は実は「蝶」の聖地でもあります。和名ウスバシロチョウ、学名パルナシウス。私の古い友人も毎年採集で訪れます。奇遇ですが、この友人は東大病院時代に、先日の地区大会で基調講演をされた山形大学の渡辺教授の同僚で渡辺教授と楽屋で話をしたのですが、彼のメンターだったようです。
どういうわけか、蝶々愛好家には医師が多いようです。

アフガニスタンで尽力された中村哲さんも、小国を度々訪れたほどの蝶の愛好家でした。彼がアフガンへ向かったきっかけも、実はパルナシウスの採集だったと言われています。餌となる草花が小国とアフガンで共通しているのだそうです。
蝶は1000キロ以上飛ぶとも言われます。「てふてふが一匹 韃靼海峡を渡って行った」——中村先生を導いた蝶々と、先生自身の人生が私の中で重なります。

最初は趣味から始まり、医療提供、井戸掘削・用水路建設へと活動は広がりました。そして残念ながら、彼は非業の死を遂げました。インフラ整備が既得権益を脅かしたのか、計画的な犯行だったと言われています。真相は闇のままですが、彼の歩みは、何か大きな力に導かれたようでもあり、まるで人生そのものが最初からプログラムされていたかのようでもあります。

せっかくですので、もう一つ皆さまに共有したい話があります。
金沢の松本パストガバナーの卓話でも触れられましたが、ポリオの戸別訪問は、ロータリアンではなく、雇用されたポリオワーカーが担ってきました。イスラム圏では注射への忌避が強く、繰り返し訪問し、家族構成や接種状況を玄関にチョークで記していきます。

この過程で、2011年、ウサマ・ビンラディン殺害作戦が起こりました。CIAが偽のポリオプロジェクトを行ったとも、ポリオワーカーの中に工作員が紛れ込んでいたとも言われています。真相は未解明ですが、この事件をきっかけに、ポリオワーカーや国境なき医師団のメンバーが報復として殺害され、活動は急速に萎縮しました。

その後はCOVID-19もあり、アフガニスタン・パキスタンの2カ国では、いまだ野生株ポリオウイルスの撲滅には至っていません。

撲滅とは「野生株による麻痺患者が3年以上発生しないこと」。ワクチン由来の罹患とは別扱いです。私より少し上の世代では、脳性小児麻痺の後遺症を持つ方も珍しくありませんでした。

日本は戦後、ソ連からのワクチン提供で撲滅へ向かいました。無償ではなかったとはいえ、貴重なワクチンを優先的に回してくれたのです。アメリカの小麦粉(コッペパン)、脱脂粉乳と並び、私たちを飢餓と病から救った恩です。味は……死ぬほど不味かったとしても、です。

この経験が、pay forward、つまり受けた恩を未来に送るという考え方を私たちに刻みました。ロータリーの奉仕そのものの精神です。

ポリオに限らず、日々の生活の中で、ほんの少しでも「受けた恩を未来へ渡す」意識を持てたら、世界は確実に良くなる。ロータリーの奉仕は、その積み重ねなのだと思います。

今日は、ポリオに関わったロータリアンなら誰もが知っているのに、なぜか語られない話を紹介いたしました。

皆さま本日もようこそお越しくださいました。心から歓迎申し上げ、会長挨拶といたします。
ありがとうございます。

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